中高年の膝の痛みと言えば、変形性膝関節症などによる軟骨のすり減りが、原因としてよく知られています。
その対策として、サメ軟骨成分のコンドロイチンやエビ・カニ由来のグルコサミンなどのサプリ飲用、また、症状が進んだ場合のヒアルロン酸注射などがポピュラーです。
ですが、40代、50代での膝の痛みは、この他にも意外な原因があります。
膝につながる腿の筋肉やふくらはぎの硬直です。
一定以上の時間、椅子に腰かけたり、正座したりした後、立ち上がる時に膝の痛みを感じ、立ち上がって動いている内にしばらくすると痛みが引く場合は、筋肉の硬直によって膝の靭帯が引っ張られることで痛みが発生していることが多いです。ですが、そのままにしておくと、だんだん痛みの時間が長くなってきて、何でもない時にも膝に違和感を覚えたるようになります。
こうなると、ほとんどの方が整形外科へ行き、変形性膝関節症の診断を受けて、サプリを処方されたり、膝を守るための筋トレやストレッチなどを指導されることになります。
この筋トレがクセモノで、本当に膝の軟骨がすり減って痛い場合には周辺の筋肉を鍛えることにも意味がありますが、筋肉の硬直が原因で靭帯が引っ張られて痛い場合には逆効果となります。
指導された筋トレでも痛みが治らない場合は、ストレッチだけを行うと良いでしょう。また、ゆるやかなジョギングなど筋肉を硬直させない程度の有酸素運動も併せて行うと、血行が良くなり筋肉を柔らかくさせる助けとなります。長時間や速度の速いランニングなどは、筋肉を硬直させますので避けましょう。
お風呂上がりのストレッチやマッサージなどをしばらく続けて、ラクになる実感があれば、軟骨のすり減りではなく筋肉の硬直が原因だと分かると思います。